
「宙」 135×100cm
ミックスメディア
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この作品は、1981年~83年のバークレーシンフォニーのポスターのために製作したものです。その頃、ケント永野氏が秀でた指揮者、ベイエリアの輝く星として脚光を浴びバークレーシンフォニーを大事に育てていた頃の、交友の原点となったものであり、私にとっての新たな原点でもあります。青年だった彼の音楽観、哲学観、人生観に、私は新鮮な特別な才能を感じたものです。
当時、中庭のあるギャラリーシオーで、毎月の様に、十数名のオーケストラを指揮するケントによるコンサートを開催しました。
ある日、ケントが「シオー、宇宙の波動を音符にした曲を”シオーコンチェルト”にしたよ。オーケストラをバックに演奏会を開こうよ。ピアノで演奏するのは、シオー自身だよ」と、ちゃめっけたっぷりに、ポンと私に楽譜を渡しました。それは色彩豊かに描かれたデイビッド・ベリエッサによる美しい楽譜でした。ピアノを弾いたことの無い私が、白い鍵盤は叩いてはいけないという約束のもと、昼と夜の演奏会の主役としてピアノ奏者となった体験は、現代音楽とはいえ、今思い出しても冷や汗一杯の、なんと若かりし日の楽しかった思い出でしょうか。
彼の指揮する姿は、今でも颯爽と優雅でしかも力強く美しく、今、輝かしい指揮者となって、世界の人々に絶賛されています。当時、そのような後ろ姿の彼の正面には、壮大に広がる宇宙のイメージがふさわしく思い、私の永遠のテーマでもある「宙」の作品を制作したのです。
高い位置からしたたる銀色の飛沫は、深い宇宙空間へ吸い込まれ、そして星々となって昇華し、今も渾身の力で輝き続けているのです。 |